私はUber Eats(ウーバーイーツ)の配達パートナーとして副収入を稼ぐとともに、利用客としてサービスを楽しんでいます。
Uber Eatsは、数多くのレストランが提供するメニューの中からお料理を選び、自宅や職場まで届けてもらうサービスです。都心部を中心に順次エリアを拡大しており注目を浴びています。
Uber Eatsのスマホアプリから簡単な操作で注文すると、数分から数十分で指定した場所まで食事を届けてくれます。他サービスとは異なり、自宅のみでなく出先の住所を指定することもでき、その利用用途は広いです。
また、最低注文金額の設定がなく、少量注文したい場合でも気軽に利用できます。
そんな魅力的なサービスを提供するUber Eatsですが、まれに妙な噂を耳にすることがあるかもしれません。
例えば・・・「料理がぐちゃぐちゃになって届いた」という話を聞いたことがあるでしょうか?
一般的なデリバリーサービスでは、そのようなことはまずあり得ないように思います。噂が事実だとしたら、何故そのようなことが起こるのでしょうか?
この記事では、Uber Eatsで注文した料理がぐちゃぐちゃになって届く可能性を検討します。さらに、考えられる原因と対策について、現役配達パートナーの実体験をベースに解説します。
Contents
Uber Eatsでぐちゃぐちゃの商品が届くことはある?
デリバリーサービスで商品がぐちゃぐちゃの状態で届いたら、とても残念な気持ちになると思います。
一般的なデリバリーサービスではまずあり得ないことですが、Uber Eatsでは起こり得ることなのでしょうか?
結論から言いますとぐちゃぐちゃの商品が届いてしまうことは起こり得ます(可能性があるというだけでほとんどの場合はしっかりとした商品が届きます)
根拠として、Googleなどの検索エンジンで「Uber Eats」「ぐちゃぐちゃ」で検索すると、実際に残念な状態の商品が届いたという写真つきのレポートが見つかると思います。ご興味があれば検索してみてください。
さらに確かな根拠として、私の手で運んだ料理がぐちゃぐちゃとまではいかないまでも、極端に偏ってしまったことや、汁物が容器から多少漏れてしまったがあります。
詳細は後でご説明します。その際は、お客様が期待するサービスを提供できなかったことを大変申し訳なく思い、改善を誓いました。
なお、私が利用者側として料理を届けてもらった際は、少しの偏りはありますが今のところぐちゃぐちゃになって届いたことはありません。汁物を頼まないようにしていることも一因かもしれません。
商品がぐちゃぐちゃになってしまう原因
デリバリー用の専用車が使われることは少ない
一般的なデリバリーサービスの場合、デリバリーに特化した三輪のバイクを使用して配達します。
こうしたバイクの多くは、道路のカーブを曲がる際、荷台のボックスが傾かない設計になっており、料理の安定性が保たれます。
しかし、Uber Eatsの配達パートナーが使う乗り物は、殆どが自転車か一般的な原付バイクです。自転車の場合、配達パートナーは配達用バッグを背中に背負って運びます。
背負い方や自転車の漕ぎ方によってはバッグが揺れやすくなる可能性があります。
原付バイクの場合も、配達用バッグを背中に背負ったり荷台に固定したりして運ぶ場合が多く、カーブでは商品にGがかかりますし悪路では振動が伝わります。
中には、配達に特化したバイクをレンタルまたは購入する配達パートナーもいますが、特化型のバイクは高コストなので、使っている配達パートナーはまれです。
雨天でも配達できる屋根つきバイクは大変魅力的であり検討したこともあったのですが、コスト面から導入を見送りました。
配達パートナーの運び方による影響
配達パートナーの運び方に問題がある場合は、乗り物に関わらず商品がぐちゃぐちゃになってしまう可能性があります。特に、配達パートナーが初心者のうちは起こりやすいと言えます。
実績を積むとトラブルが発生しにくくなる理由のひとつに、Uber Eatsの配達パートナー評価システムがあります。
Uber Eatsでは、配達パートナー、お客様、レストランが相互に評価を送信できる仕組みがあります。配達が完了すると、アプリに評価を送信する画面が表示されます。
評価は必須ではありませんが、お料理がぐちゃぐちゃになって届いた場合、お客様は配達パートナーに対してBAD評価を付けることが多くなるでしょう。
配達パートナーに対する評価は蓄積され、パーセンテージで示されます。100%なら全てGOOD評価ということになり、80%以上であれば「高評価」と表示されます。
配達パートナーは自分の評価パーセンテージを見てBAD評価に気付き、また、評価の詳細を確認することができます。詳細には「商品が破損していた」「配達が遅かった」などの内容が記載されています。
ここで「商品が破損していた」というBAD評価が多い場合、配達パートナーは自らの配達方法に問題があると考え、運び方を改善するはずです。
私も、配達パートナーを始めたばかりの頃にBAD評価を頂いたことで気付きを得て、商品にダメージを与えない配送を心がけるようになりました。
なお、BAD評価をつけたお客様を特定する情報は配達パートナーには伝わりませんのでご安心ください。不満な点を改善して、よりよいサービスを受けるためにも、正直な気持ちを評価にして頂ければと思います。
評価のお話をしましたが評価を気にせず運び方を改善しない配達パートナーも、もしかしたらいるかもしれません。ゆっくり丁寧に運べばお料理の状態はよいはずです。
何故急ぐのかというと、Uber Eatsの配達パートナーにとっては「時は金なり」なのです。
報酬は裁量性ですから、商品の状態に気が回らないほど急いでしまうこともあるかもしれません。
私自身は高評価をされている配達パートナーなので、BAD評価が多い配達パートナーに対するペナルティがどんなものかは知らないのですが、サービス向上のため何らかのペナルティがあるのではないかと思っています。
配達環境による影響
配達距離が長いために、商品がぐちゃぐちゃになってしまう可能性があります。
長時間の振動が加われば、それだけ商品へのダメージは蓄積されますし、弱い衝撃でも回数を重ねることで容器へのダメージが蓄積されます。
ほかにも、山越えをするルートなどで道の状態がハードだったり、強風にあおられて横揺れが発生しやすくなったりといった要素も、商品の状態に影響を与えます。
お店の包装が不十分である可能性
漏れやすい容器や、強度の低い容器、簡易的過ぎる包装など、お店の包装がデリバリーに適さないために、容器の中身がぐちゃぐちゃになってしまうケースも少なくありません。実感として、頻繁に起こり得ます。
配達パートナーが初心者である場合と同様、Uber Eatsに参画したばかりのレストランもあります。レストランが経験を積んでいない場合は特に包装がデリバリーに適さないことがあります。
最初は不十分な包装をしていたレストランでも、配達パートナーやお客様からの意見を受け、次第に包装が改善されていったケースもあります。
私が担当したレストランでも、前回より包装が強化されていると感じたり、容器の質が向上していると感じることがあります。このあたりは、配達パートナーとして喜びを感じるところでもあります。
例外として、容器の在庫が無くなってしまった場合や、包装に必要な機材が故障してしまったケースがあります。
あるドリンク専門店で商品をピックアップしようとしたときのことです。蓋をシーリングする装置が故障して、密閉できないとのことでした。
「ちゃんと蓋をしていないので、気をつけて運んでください」と言われたのですが、原付バイクで蓋のないドリンクを運んだら、どうなるかは容易に想像できます。
このときは、初めてレストランで配達のお断りをしました。他の配達パートナーに配達を依頼するよう言われましたが、あの後どうなったのか今でも気になります。
防止策と起きてしまったときの対処
これまで、Uber Eatsでぐちゃぐちゃの商品が届く可能性があることと、考えられる原因をご紹介しました。
まれに起きてしまうことはわかりました。では、残念な事態を防ぐ手立てはあるのでしょうか?
防止策として配達パートナーに連絡しておく
Uber Eatsのアプリには、配達パートナーに連絡する機能があります。注文するときに備考を追加することもできますし、配達中の配達パートナーにSMSのメッセージを送ることもできます。
例えば、「急がなくてもいいから、取り扱い注意でお願いします」などと備考に記載してみてはいかがでしょうか。
備考は必ずチェックしてから配達することになっています。私も毎回チェックしていますので、コメントがあれば少なくとも心がけは変わってくると思います。
配達距離が長い場合にはつい焦って運転が荒くなってしまうことも有り得るので、一定の成果が得られるのではないでしょうか。
起きてしまったときの対処
それでも、ぐちゃぐちゃの商品が届いてしまった場合は、配達パートナーにBAD評価をして、理由として「商品が破損していた」を選択してください。
また、Uber Eatsのサポートに問い合わせることで、保障とまでは行きませんが、場合によりクーポンなどで還元されることもあります。
問い合わせる場合は商品の写真を求められることがありますので、開封直後の写真を忘れずに撮っておいてください。
配達パートナーとしての実例
冒頭で述べましたが、実は配達を始めたばかりの頃に商品の状態に関して二度悪い評価を頂いたことがあります。
いつもの調子で配達したら想定外の状態になってしまったのです。ここで配達パートナーとしての実例をご紹介します。
実例1
実例1件目は、やや高級そうな個人経営の寿司店でした。チェーン店のお寿司は何度か配達したことがあったため、いつものようになるべく衝撃を与えないように運びました。
しかし、10分ほど走って到着したタワーマンションの前で商品を確認すると、お寿司が半分に減っている!?
いいえ、減っていたわけではありません。偏って半分ほどの容積になってしまっていたのです。
高級なお寿司はシャリをふんわりと握ると聞いたことがあります。おそらく、普段配達しているチェーン店よりもデリケートなシャリだったのでしょう。
また、オシャレな容器に盛り付けられたお寿司は空間の美を備えていました。つまり、偏りやすい条件が揃っていたのです。
実例2
実例の2件目は、個人経営の本格中華料理店でした。スープ多めのお料理が三段重なった上に餃子という構成です。
倒れさせなければ大丈夫と考え、配達用バッグの真ん中あたりに料理の入った袋を置き、四方に仕切りやタオルを敷き詰めて固定して運びました。
10分ほど走り、お客様のドア近くまで歩いたところで袋の底に漏れが生じていることに気付きました。
驚いて袋の中の状態を確認すると、上に重なった料理の重みで下の容器が潰れかけていたのです。致命的ではなかったものの準破損の状態でした。
危なかった実例
お料理が崩れることは無かったのですが、料理の身に危険を感じたときもありました。
その日は接近した台風により、暴風が吹き荒れていました。あと1件だけと決めてピザ店から料理をピックアップ。強風にあおられながら、何とか配達先のマンション前にたどり着きました。
バッグからピザの箱を取り出した瞬間、ピザ箱の蓋が強風で持ち上がりかけました。
とっさに蓋を押さえて、抱え込む形でマンションの入り口まで歩きました。事なきを得ましたが、不用意に扱えば、ピザは空を飛び遠くへ行ってしまったかもしれません。
おわりに
今回は、Uber Eatsで料理がぐちゃぐちゃになって届いたという噂を掘り下げて記事にしました。
乗り物の違いや運び方、配達環境、レストラン側の準備不足など、様々な要因が影響していることがお解かりいただけたと思います。
記事中では、配達パートナーの失敗事例も取り上げました。いつでも記事にできてしまうほど、失敗した経験はよく覚えているものです。
このように、配達パートナーのサービスも、レストランのサービスも、失敗に学び成長し続けています。トラブルを乗り越えてよりよいサービスが生まれていきます。
ぐちゃぐちゃの商品が届く確率は低いですが、もし届いてしまった場合には適切に対応してサービスを上手く利用していっていただければと思います。
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